艦隊これくしょん講堂

史実で艦これ

航空母艦アーク・ロイヤル(HMS Ark Royal)⑥:艦島

上層に設けた甲板上の気流への影響を考慮し、前艦HMSイーグル(1918)で試験を行った結果、艦島を完全に除去することが艦載機にとって最も理想的であると判断しました。


しかし、この設計では空母の操作と航行が非常に困難になるため、妥協して「イーグル」の艦島をさらにまとめて小型にしました。さらに、できる限り艦島の設計を流線形に近づけて気流への影響を抑えました。


研究の結果、飛行員が降下に失敗して着陸復行する場合、左転する比率が高いことがわかり、艦島を甲板右側の配置に統一しました。


また、艦島と煙突の一体化設計もその後各国の空母の模範になりました。
ですから、艦島と煙突を分けた作画には少し不満を感じています。(ノ゚∀゚)ノ


このほか、アーク・ロイヤルはレーダーを搭載しておらず、艦島の真上に見える円筒形は72型着艦指示灯です。

航空母艦アーク・ロイヤル(HMS Ark Royal)⑤:装甲分布

アーク・ロイヤルの装甲配置は、経費の関係で、水中の魚雷の防御、防水バルクヘッドを少なくするなど、一部犠牲が発生しました。(予備用ディーゼル発電機がなかったことがその後アーク・ロイヤルが沈没した原因の一つでした)さらに、構造面において重量を軽減するために艦体の65%もの部分に溶接が使用されました。


舷側装甲は厚さ4.5インチ、水中魚雷防御隔壁は3インチ、上下格納庫間の装甲は3.5インチです。理論上12,000m以上離れた場所で巡洋艦の6インチ砲弾に耐えることができます。


上下格納庫間の装甲は弾薬庫、航空機用ガソリン庫など重要な設備を保護します。

航空母艦アーク・ロイヤル(HMS Ark Royal)④:強力甲板

強力甲板とは、戦艦が総和縦方向曲げ応力を受ける際に最も強く力を受ける甲板を指します。


一般の戦艦では、通常上甲板が強力甲板になっています。そして最初の航空母艦は格納庫甲板を強力甲板とし、格納庫と飛行甲板を上層建築とする設計がなされました。


加賀がその例です。戦艦が改装されたものです。赤線部分の強力甲板が本来の戦艦の上甲板です。そして格納庫、飛行甲板等の構造を上に重ね、最後に空母の艦島を載せています。


アーク・ロイヤルは飛行甲板を強力甲板にすることで飛行甲板の強度を確保しながら、艦載機格納庫などの施設も保護しました。(当然、爆弾防御性は装甲甲板には及ばず、甲板が破壊されると戦艦本体の構造の強度に影響します。)


この設計は後に各国の空母の模範になりました。